かもじま阿波おどりの舞台は、吉野川市鴨島町鴨島にあるJR鴨島駅前中央通りです。吉野川市はこの通りを開催場所として案内しています。改札を出て正面へまっすぐ延びる一本道が、そのまま演舞の場になります。徳島市のように複数の演舞場を渡り歩く必要はなく、この道の上に立てば足ります。
踊り子との距離が近い会場です
桟敷を組んで囲うような広い会場ではありません。駅前の商店が並ぶ道ですので、踊り子との距離は自然に詰まります。列車で着けば改札の先がもう会場という配置なので、荷物を持ったまま立ち止まって見ることもできます。屋台も多数出ると市は案内しています。
裏を返せば、この一本の道から離れると祭りの気配は急に薄くなります。人の流れを探して歩き回るより、通りの上に留まっているほうが確実です。
藍の富が敷いた道の上で踊ります
この道の来歴には、阿波藍の商いがそのまま埋まっています。文化庁のポータルサイトには、阿波藍を主題とする日本遺産の解説が載っています。それによれば、鴨島駅を開いたのは徳島鉄道株式会社で、その社長を務めたのはカネマンの屋号で知られる藍商の一族でした。駅前中央通りは、その駅から一族の藍屋敷があった土地へまっすぐ通じる幹線として引かれ、いまも駅前の中心をなす都市計画道路です。藍で得た富が鉄道を敷き、駅と屋敷を結ぶ道が引かれ、その道の上で人が踊っている。そういう順番になります。
屋敷の跡地は、いまの市の中心です
藍屋敷のあった土地は、現在は吉野川市民プラザになっています。市の条例によれば所在は鴨島町鴨島252番地1で、アリーナ、市民センター、市立鴨島図書館、コワーキング・シェアオフィス、ポケットパークで構成される複合施設です。市役所も同じ町内にあり、駅と通りとプラザと市役所が徒歩圏に収まっています。観光地に設けられた特設会場ではなく、市の中心部そのものが会場だということです。早めに着いたなら、通りの突き当たりまで歩いてプラザを見ておくと、この道の成り立ちが腑に落ちます。